2009年4月23日木曜日

バラライカ

漫画、アニメ「BLACK LAGOON(ブラック・ラグーン)」に登場。

ロシアンマフィア「ホテル・モスクワ」のタイ支部の頭目を任されている大幹部。
「バラライカ」の名は組織内でのコードネームで、
本名は「ソーフィヤ・イリーノスカヤ・パブロヴナ」である。
顔右半面の他、首筋や胸元、腕などにソ連アフガン侵攻時に負った
大きな火傷跡が幾つもあり、 陰では「火傷顔(フライフェイス)」と呼ばれる。
旧ソ連軍時代の最終階級は大尉(カピターン)。また、当時から彼女をボスとする
一個小隊は「遊撃隊(ヴィソトニキ)」と呼ばれているが、
ソ連軍時代の正式名称は「第318後方撹乱旅団・第11支隊」である。
愛用の拳銃はスチェッキン・フル・オートマチック・ピストル。
街一つを容易に吹き飛ばせる彼女の力と冷酷さは、ダッチですら恐れるほど
(曰く、彼女が本気で怒っている時は、少なくとも200マイルは近くに居たくない、とのこと)。
ロックには何かと目を掛けており、彼から商社マン時代に
集めた情報を提供してもらうこともしばしば。 基本的には抗争などを好む
非情な性格だが、大変な部下思いでもある。
ただし、部下思いであるのは遊撃隊のメンバーに対してのみであり、
『ホテル・モスクワ』の構成員であるか否かは直接には関係無い
(また「チェーカー嫌い」を公言して憚らず、KGBやGRU出身の
ホテル・モスクワのメンバーのことを非常に嫌っている)。
その点から、アフガニスタンという極限の戦場を潜り抜けてきた
彼女率いる遊撃隊は、非常に強い結束で結ばれていることが窺える。
組織の力によりロシア大使館にすらコネを持つ。来日時の偽名はヴラディレーナ。

アニメ版や小説では彼女の生い立ちが詳細に描写されている。
それによれば父親が失脚したため、ピオネールの団員だった少女時代に
得意だった競技射撃の腕を生かすべきと親戚(または父の元同僚?)に勧められ、
一家の復権のためオリンピック射撃種目の選手を目指していた。
そして選手の選考に有利になるように軍に志願し、特殊部隊である
スペツナズの第318後方撹乱旅団・第11支隊―遊撃隊(ヴィソトニキ)の一員として
アフガニスタンに派遣される(当時はまだ中尉以下の階級である)。
彼女のその射撃技術は「第二のルドミラ・パブリチェンコ」とまで言われていたが、
しかし目指したロス五輪をソ連はボイコットしたため、選手団に入れなかった。
なお、彼女が中尉という階級で部隊を率いていたのは、
彼女以上の階級を持つ士官が全員が戦死した為である。
その後、ムジャヒディンの捕虜となり、全身の肌を寸刻みで焼き潰すという
拷問を一ヵ月も受け、今のような火傷だらけの身体となった。
そのため、一時は本国へと戻り、遊撃隊が解散してもなお、
アフガンに残した戦友のため、大尉へと昇進後に再びアフガンの地を踏むことになる。
ちなみに、ソウル五輪の射撃選手団に編入されるという話もあったが、
著しく低下した右目の視力では国威を背負った競技への参加はできなかった。
1989年にアフガニスタンからソ連が撤退し、祖国へ戻ったものの、
彼女たちのような“アフガン帰還兵(アフガンツィ)”は、
ソビエト連邦の崩壊により部隊ごと軍籍を剥奪され、困窮した部下を見捨てられず、
遊撃隊メンバーと共にホテル・モスクワに参加したと言うものである。

ただし、この経歴の幼少期の設定はあくまでもアニメ版の設定であり、
原作では彼女の生い立ちはほとんど不明で、アフガンにおける越境作戦での
命令違反が原因で軍籍を剥奪されたことが語られた程度であるが、
同マンガ作品の小説版である『ブラック・ラグーン シェイターネ・バーディ』では、
アフガン侵攻時の彼女が詳しく書かれている。
葉巻を愛飲している姿が多いが、パーラメントの場合もある。


同士諸君。今夜、ベロッキオファミリーが襲撃を受けた。
だが予定に変更は無い。全て想定どおりだ。
現刻より状況を開始する。…勇敢なる同志諸君。
サハロフ上等兵、メニショフ伍長はかけがえのない戦友だった。
鎮魂の灯明は我々こそが灯すもの。
無き戦友の魂で、我らの銃は復讐の女神となる!
カラシニコフの裁きの下、5.45ミリ弾で奴らの顎あぎとを食いちぎれ!!



世の中、相手にしちゃいけない人間は五万といるが
その中で女性を一人挙げるとしたら彼女、バラライカが挙がるだろう。
終始余裕の表情、冷酷無比な行動、仲間思いでもあるが
やはりお近づきにはなりたくない人間であることに間違いない。

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