2013年7月14日日曜日

ブラザーフッド・オブ・スティール(Brotherhood of Steel)

ゲーム「Fallout」シリーズに登場。

ブラザーフッド・オブ・スティール (鋼鉄の騎士団、略称BoS) はテクノロジーを信仰する組織であり、
大戦以前の米国軍部および政府後援の科学コミュニティを起源とする。
軍部士官、兵士、科学者の子孫から構成されている、ほぼ純系の人類である。
他の勢力からは大戦以前、大戦時におけるテクノロジーや文化的遺産の捜索、
回収を目的とした巨大な武装組織と見なされている。アメリカ全土に支部を持ち、テクノロジーを収拾して研究、
前提として自分達で独占する事が目的であり、そのためウェイストランド人からは快く思われていない。
遺産の調査・発掘を目的とした科学者と護衛及び敵対者の排除を担う戦闘員で構成が二分されている。
本部は西海岸のロスト・ヒルズ・バンカーにあり、各地方に支部が存在している。
BoSはいくつかの階級に分けられる。イニシエイトは訓練生であり、訓練過程で十分な成績を上げると
上級イニシエイトに昇進する。その後アプレンティス (見習い) となる。
認められるとアプレンティスは熟練ナイトかスクライブに昇進する。
次の階級は上級ナイト/スクライブで、最後に各階級のリーダーであるナイト長、スクライブ長となる。
スクライブは古代のテクノロジーの複製、現在のテクノロジーの維持、
さらに新兵器や他の有用な装置の調査に責任を負う。スクライブはBoSバンカーの安全な場所から
離れることはほとんどないが、テクノロジー装置を調べたり、専門的な知識が必要な任務を行うため、野外を訪れることもある。
ナイトは武器などのテクノロジー装置の製造に責任を負うが、戦闘活動にも参加する。
何年もの任務と経験を重ねた後、最高のナイトはパラディンに昇進する。
パラディンは軍部の頂点であり、全ての防衛・外部活動を担当する。
パラディンには更に階級があり、下級パラディン、パラディン、上級パラディン、パラディン長となる。
全てのパラディンはナイトでもあるため、パラディン長は通常ナイト長でもある。
最上位の階級はエルダーであり、エルダーは支部におけるリーダーである。
本部では複数のエルダーがおり、BoS統治評議会の一員でもある。
エルダーになるにはBoSで多大な功績と、周囲からの信頼を得られた者が信任する。
ただし評議会とBoS自体のリーダーはハイエルダーで、通常は創設者のマクソン一族が継承している。
この他にもキャピタルBoSでは、「センチネル」という階級があり、
精鋭部隊「リオンズ・プライド」のサラ・リオンズだけが唯一名乗っている。
また同分派では「スターパラディン」や「スクワイア」という階級もあり、
スターパラディンは自身の任務を行える特別許可が与えられており、
スクワイアはイニシエイトより一つ上の階級で、特別な理由で与えられる。
BoSは量より質を重視する傾向で、戦いにおける数の差は戦前・戦後の凄まじい装備類で補っており、
レーザー兵器、パワーアーマー、外科的改造、戦闘用インプラントを所持している。
戦闘においてBoSパラディンは、傷一つ負わずに町一つを地図から消し去る能力をもつ。
BoSメンバーの大多数は組織内で生まれ、部外者を階級に入れることは非常に稀。
しかし組織で生まれたが、スクライブ、ナイト、パラディンになりたくない者は去るのも自由。
組織は意思に反して強制的に仕えさせることはしない。 普通は正当な理由なく他者と敵対しないが、
BoSのメンバーは周りにいる明らかに弱かったり、運に見離された者に対する正義にも興味を示さない。
大抵の場合、人命より秘密を保持し、テクノロジーの保存・開発を尊重する。
確実に言えることは、BoSナイトの一団が不運な人々を助けているように見えたとしても、
相手のためを思ってやっているとは限らない。BoSは最高級のテクノロジーを他者と共有したがらない。
たとえテクノロジーが、ウェイストランドに明らかな利益をもたらすとしてもだ。
BoSが配備しているどんなテクノロジーであろうと、ウェイストランド人ではそれを利用 (そして維持) する責任を負えない、という考え方が BoSの内部では広く認知されているため。
だがテクノロジーの一部は開拓地のコミュニティと交換することが知られており、
NCRは食料などの資源との交換を表明している。だが能力の高いテクノロジーは公には出さない。
テクノロジーに尊敬の念を抱いているが、BoSの多くのメンバーはテクノロジーに
関係しない知識分野は (さらに戦闘に関係ないテクノロジーも) あまり尊重しない。
スクライブであっても、そのほとんどは歴史に関心を示さず、イニシエイトの中には
BoSの創立者であるロジャー・マクソンを知らぬ者さえいる。
BoSのミュータントに対する態度は様々であり、嫌悪感を抱いたり (例えばグールに対して)、
完全に敵対したりする (対スーパーミュータント)。
BoSの創立者は、ロジャー・マクソン大尉だった。ロバート・スピンデル大佐指揮する軍隊の一員であり、
最初は2076年1月3日、ウェストテック研究施設に国家安全の目的で実験を監視するため派遣された。
2077年1月7日、全ての研究は新たに建設されたマリポーサ軍事基地に移され、
スピンデルの一団も一緒だった。 10月10日、マクソンと部下は恐ろしい事実を発見する。
科学者たちは強制進化ウィルス (FEV) の実験で、軍の受刑者を被験者として利用していたのだ。
基地の士気は崩壊し、スピンデルは神経衰弱から5日後に自殺した。マクソンの部下は指導力を彼に求めた。主任科学者のロバート・アンダーソンを尋問し、科学者たちが起こした行動範囲を知ったマクソンはロバートを処刑、他の科学者も同様にした。
10月20日にマクソンはラジオを通じて軍部からの完全離脱を宣言する。
ほかの軍部は、中国と戦うのに忙しかったため反応はなかった。3日後に爆弾が発射され、
大戦争は始まって2時間後に終結した。 マリポーサ軍事基地は生き残り、
内部の兵士はウェイストランドに満ちる放射能やFEVから守られた。
2日後のマリポーサでは、パワーアーマーを着た偵察兵が大気の特性を調べ、施設周りの区域に、深刻な放射能はないと報告。外の荒れ地で科学者を埋葬した後、軍事基地を封鎖した。物資と武器の設計図を携え、砂漠へ向かう。マクソン大尉は部下と家族をロスト・ヒルズの政府バンカーに導き、この出来事は後に「脱出」と呼ばれた。
外で数週間過ごした11月、兵士と家族はロスト・ヒルズに到着する。
道中、マクソンの妻を含め多数の犠牲者を出した (だが10代の息子は無事だった)。
ロスト・ヒルズのバンカーは、新たに結成されたBoSの本部となった。
2134年、デニス・アレン軍曹率いる一派が力を増し、ウェストテックの南東遺跡の遺物を
探索したいとエルダーたちに詰め寄った。そこは核爆弾が直撃した後、グローと呼ばれている。
エルダーが拒否したため、アレンと分離を唱えるグループは BoS と分かれ、テクノロジーと武器の一部を持っていった。
それでもロジャー・マクソンの指揮下で、BoSは力を増してテクノロジーを開発し、
ナイト、スクライブ、パラディンの階級が結成された。2135年にロジャー・マクソンは癌で死に、
息子の二代目マクソンがハイエルダーを引き継いだ。 2150年代にはBoSはバンカー周りの区域を支配し、
その領域の強大な勢力の一つとなっていた。2150年代の初期頃、バイパー団というレイダー集団が
南の荒れ地に権力基盤を作り始める。宗教的な熱狂ぶりによって頻繁に襲撃するようになる。その結果、BoSの注意を惹きつけた。
2155年、BoSは数個の偵察小隊をバイパー団追跡のため派遣した。これはほかならぬハイエルダーが命じた訓練過程の延長だったため、BoSはパワーアーマーを着た小分隊で、レイダー団の規模に関わらず対処するに十分だと確信した。二代目マクソン率いる BoSの一隊が、バイパー団を発見する。レイダーはすぐ逃げ出すと思っていたマクソンは、バイパー団の宗教的な熱意と獰猛さ、毒のついた武器を考慮していなかった。マクソンがヘルメットを外している時、一本の矢によって傷を負い、そのせいでわずか数時間で死に至った。
ロジャーの孫、ジョン・マクソンがエルダーの役割を受け継ぎ、ロンバスがパラディンの新しいリーダーとなった。
ロンバス率いるパラディンは、バイパー団に全面攻撃を始めた。
一ヶ月以内に、一団のほぼ全員を追跡し滅ぼした。バイパー団の中には、北や東の山脈に逃げ延びた者もいた。
活動中、BoSはバイパー団のメンバーを追跡するため数人の偵察兵と使節を商人の町ハブに派遣した。
これを発端として、ハブとBoSは全面的な貿易関係を始めた。
2161年10月、パトロール隊が荒れ地で死んだスーパーミュータントに出くわした。
死体はスクライブたちのもとに持ち帰られ、スクライブ長ヴリーが調査を始める。
長い研究が重ねられた後、検体は全く子供を作れない身体ということが明らかになった。
2162年2月、「Vaultの住人」が基地を訪れ、仲間に加わりたいと申し出た。
真面目に請け合ってもらえず、いつものようにウェストテック施設の廃墟へ無駄足を運ばされることになる。
そこはかつてアレン軍曹率いるBoSの一派が足を踏み入れて戻らなかった地、グローである。
そこは死んだ仲間と戦前の技術の両方があると、BoSが考えるようになった場所だ。
だがかつてはサンディエゴだった街デイグローのグールが守っていた。
BoSのグールとの関わりは限定的であるが、良いとは言えない。
さまざまな回収任務が「グロー」で始まって以来、BoSのグールに対する怒りは更に募ることになる。
しかし「Vaultの住人」は生きて戻ってきただけでなく、何人ものBoSパラディンがグローへ向かった際の、
失われた探検が記録されたホロディスクを持って帰ってきたことで、皆を驚かせた。
その結果、長い歴史で初めてBoSの一員として認められた、最初の部外者となった。
「Vaultの住人」によって、BoSはザ・マスター軍と計画を知ることになる。
全ての人間をスーパーミュータントに変えるものだ。ジョン・マクソンの援助を得て、
「Vaultの住人」はエルダー議会の説得に成功し、パラディン部隊をマリポーサ基地に派遣することになる
そこは皮肉にも、BoSが元々いた場所であり、その頃にはジョン・マクソンさえ覚えていなかった。
BoSの協力で「Vaultの住人」は最終的にザ・マスターを倒すことに成功し、ロスト・ヒルズ・バンカーを去った。
その後しばらくの間、BoSは北カリフォルニア中の様々な都市に小さなバンカーを建設、
テクノロジーの回収に従事していた。この時点でのBoSは最も技術的に進んでいた勢力だったようだ。
スーパーミュータント軍と密輸業者たちも進んだ武器を持っていたが、
BoSにはパワーアーマー、一定の医療技術、スーパーコンピューターがあった。
しかしそれは2241年までであり、ウェイストランドの進んだ技術を管理するのは、
エンクレイヴの出現により、もはや彼らだけではなくなった。
さらにパワーアーマーの独占も失っている (中国工作員の子孫の組織「シ」が台等し始める)。
BoSは80年間全く進歩していないように見えるが、わずかながら確認できることとしては、
進んだ武器と医療技術を依然として所有している。これら本部とその周辺のバンカーの活動範囲は
西海岸に留まっていたため、新たに東海岸にも兵士の派遣団を送った。
しかしこの派遣団は本来の任務であるテクノロジーの保護を後回しにし、
スーパーミュータントの脅威に対する現地住民の保護を最優先にする決断をした。
これに対して本部は増援や物資の支援は一切を断った。
こうしてできた分派は、キャピタルBoSというべき独自の組織と呼べるものになった。
しかしこのキャピタル・ウェイストランドを守る元遠征団の中には、
本来の目標を忠実に守るべきだと考えた一団もいた。
このメンバーは仲間の元を離れ、新たなる組織BoSアウトキャストとなった。
一方、本部BoSは重大な局面に至ろうとしていた。
勢力を拡大し続ける新カリフォルニア共和国(NCR)の存在により、
どちらが戦前のテクノロジーを保持するのに相応しいか、抗争を始めた。
皮肉なことに装備と練度に優るBoSは、それよりも劣るが数で押し寄せるNCRにより追い詰められ、
本部と各支部は分断された。モハビ・ウェイストランド支部は本部との切り離されたことにより
著しく衰退し、NCR軍との交戦の末、大打撃を被ってしまう。
生き残ったモハビBoSは再起を図るべく、ヒドゥンバレー地下のバンカーに籠城し、
NCRから身を隠しつつ、雌伏の時を待っている。これらのことから現在のBoSは西海岸と東海岸で活動している。
(画像はBoSのシンボル。歯車は工学知識、剣は自らを守る意志、翼は高まる希望、
円は仲間(=brotherhood) となる全体を表す)

核戦争後の世界、ゲーム「Fallout」シリーズ。
ブラザーフッド・オブ・スティール(以下略BoS)はかつてのアメリカ陸軍の末裔で
事実上、エンクレイヴと同じくらい歴史のある勢力。
戦前の技術を維持、サルベージし、分析、それを独占することを目的にしており、
そのためウェイストランド有数の武装組織であり、研究組織でもある。
ただし戦前の技術に固執する姿はほとんどのウェイストランド人から嫌われている。
一応、知識のない者や無法者から破壊と悪用をさせないのが目的で、
復興の手段として「テクノロジーの保護」を優先している。
最終目標はアメリカの復興なのだが、現在のBoSはそのことを忘れ、
ただ「独占」することだけを優先しており、手段が目的に変わってしまった状態。
その愚かさからエンクレイヴ同様、手段はあるのに目的を完遂できない哀れな集団である。
現在も強引なやり方で現地住民からテクノロジーを喝上げしており、
その高圧的な行動は、新カリフォルニア共和国(通称NCR)の耳にも入った。
ただの村落から一大国家に成長した新カリフォルニア共和国と
古くからテクノロジーを身に着けていたBoSは戦争を開始。
どちらがテクノロジーの保護者に相応しいか競い合った結果、
数に勝るNCRにBoSは押し負けている。
モハビにおいてはアジトにしていた施設を乗っ取られた揚句、壊滅寸前にまで追い込まれた。
しかし中にはキャピタルのように現地住民のために貢献したりする奴らもおり、
エンクレイヴ同様にその動向にはこれからも目が離せない。
本部と連絡を取れないことが尾を引いているようで、本部がどうなったのかはわかっていない。
モハビでの戦いがあったように、本部も未だにNCRと戦っているのかもしれない。
もしくは当の昔に制圧・滅亡しているのかも。

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